
「年齢を重ねるごとにまぶたが重くなってきた」「目が開きづらい」「ものが見えづらい」など、ご自身で眼瞼下垂を疑って相談に来られる方が多くいらっしゃいます。
そこで今回は、「眼瞼下垂(がんけんかすい)」とは何なのか、眼瞼下垂の症状とはどのようなものなのか、保険で治せるのかについて解説いたします。
まぶたの開きに違和感を感じている方、治療を検討中の方は是非参考にしてみてください。
記事監修者

眼瞼下垂の定義
目の開きが悪い場合、眼瞼下垂と診断されることがあります。
眼瞼下垂かどうかを判断する基準として、「MRD」というものがあります。
皮膚とまぶたのかぶさり具合の指標です。
この基準に当てはめることで、ある程度眼瞼下垂の重症度が決まってきます。
MRDとは?

「margin reflex distance(瞼縁角膜反射距離)」の頭文字であるMRD。
黒目の中央から上まぶたの縁までの距離をMRD-1と言います。

鏡を見て、上まぶたの皮膚がどれくらい黒目にかかっているか測ってみてください。
目を開けた状態で露出している黒目の範囲によっては、眼瞼下垂の可能性があります。
では、眼瞼下垂と診断された場合、どのような症状が出るのでしょうか?
眼瞼下垂の症状
眼瞼下垂の症状には主に次のようなものがあります。
・目が開かない ・見えづらくなる ・肩こりやめまい |
目が開かない
眼瞼下垂とは、本来の位置よりも上まぶたが下がってしまい目が開けづらくなる症状のこと。
目を開く筋肉が伸びてしまう、たるんだ皮膚がまぶたに覆いかぶさるなど、さまざまな要因から目の開きが悪くなります。
まぶたが黒目に覆いかぶさることで、視野が狭まり物が見えにくくなることも。
ものを見づらくなる
目の開きが悪くなると、視界が狭くなりものが見えづらくなります。
夕方になるにつれて次第に見えづらくなる、という方も多い印象です。
顎を上げたり顔を上に向けたり眉毛を上げたり…。
何とかして目を開けようとするので、どこかに負担がかかってしまいます。
肩こりやめまい
おでこの筋肉を使い、眉毛を上げて目を開こうとすると慢性的な眼精疲労につながります。
通常必要のない筋肉を使うので、めまいや肩こりにつながることも。
眼瞼下垂を放置していると、別の症状を併発してしまうリスクがあるのです。
では、眼瞼下垂はなぜ起こるのでしょうか?原因を詳しく解説します。
眼瞼下垂のメカニズム
まぶたが開きづらくなる眼瞼下垂の原因は、大きく分けて3つあります。
・神経 ・筋肉 ・皮膚 |
まぶたが開く仕組み

まぶたを開けるためには、脳→神経→筋肉→まぶたの順で指令が届きます。
脳が神経に「まぶたを開けろ!」と指令を出します。
指令を受けた神経が次は筋肉に対して「まぶたを開けろ!」と伝達します。
指令を受けた筋肉が収縮することで皮膚が上がりまぶたが開きます。
つまり、眼瞼下垂は、「神経」「筋肉」「皮膚」いずれかが原因で起こるのです。
改善するためには
神経、筋肉、皮膚いずれかに問題があることで起こる眼瞼下垂。
そのため、原因を把握し、正しくアプローチしなければ改善は見込めません。
例えば、神経が原因で眼瞼下垂を発症しているのに、筋肉や皮膚にアプローチしても結果は改善しません。
皮膚が伸びきっていることでまぶたの開きが悪いケースであれば、皮膚へのアプローチが適しています。
このように、人によって眼瞼下垂の原因が異なるので、的確に見極めて正しく処置することが重要なのです。
眼瞼下垂の原因
主に「神経」「筋肉」「皮膚」が原因で目が開きづらくなりますが、その要因として次のようなものが挙げられます。
・加齢 ・生活習慣 ・外的要因 |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
加齢
年齢を重ねることで皮膚がたるみ、筋肉が伸びやすくなります。
極端な言い方をすれば、一定の年齢以上になるとほぼ全員が眼瞼下垂になるといっても過言ではありません。
さらに、加齢に加え、日常生活の中で眼瞼下垂リスクを上げることが分かっているものがあります。
思い当たるものがある方は、生活習慣を改善するタイミングかもしれませんね。
コンタクトレンズ
ハードコンタクトレンズの刺激が原因で眼瞼下垂になるという話は聞いたことがある方も多いでしょう。
コンタクトレンズをつけたり外したりするときにまぶたを指でぎゅっと開けますよね。
その動きを数十年続けることが眼瞼下垂につながっていると考えられています。ソフトコンタクトレンズに関しても同様です。
また、コンタクトレンズを使用することで、アレルギー性結膜炎のような炎症症状を繰り返し起こしてしまうケースも。
これが原因で眼瞼下垂の症状が出ることもあります。
スマホ
スマホの使用が原因で眼瞼下垂になることも考えられます。
例えば、うつむいて上目遣いをするような姿勢を続けていると、目元に負担がかかりますよね。
長時間スマホを見続けることで、まぶたを開ける筋肉(眼輪筋や眼瞼挙筋)の機能が低下するリスクがあるのです。
ストレス

日常的なストレスが原因で眼瞼下垂になる場合もあります。
強いストレスを感じると、自律神経のバランスが崩れます。
緊張状態ではたらく自律神経である交感神経は、まぶたの筋肉の一部であるミュラー筋の動作にかかわっています。
交感神経がミュラー筋を収縮させることでまぶたを若干引き上げる作用があるので、交感神経と副交感神経のバランスが乱れ、副交感神経が優位の状態になると、まぶたが下がりやすくなるのです。
眼瞼下垂は保険適用?

「眼瞼下垂は保険で治療できるのか」
「治療はどの診療科で受けられるのか」
といったご質問を受けることが多々あります。
ここでは、保険で治せる眼瞼下垂、自費診療がおすすめの場合について詳しく解説します。
保険で眼瞼下垂治療
保険とは、健康保険に加入していれば、1~3割の自己負担で医療が受けられる制度です。
ただし、厚生労働省が定めた検査や治療しか受けることはできません。
眼瞼下垂に関しても、眼科で保険を使った治療を受けることができます。
しかし、保険は病気を治療するためにしか使えないため、できる処置が限られています。
また、「目が開かずものを見ることができない」など、目の機能面が原因の症状しか治療できません。
形成外科で眼瞼下垂治療
形成外科の真骨頂は「傷を綺麗に治す」「美しく治す」というところにあります。
もちろん機能面を重視しますが、同時に見た目の美しさにも重きを置いています。
形成外科であれば、保険診療が受けられる場合があるので、保険治療の中で美しさにこだわることができます。
そのため、ある程度の見た目が保証されます。
美容外科で眼瞼下垂治療
ほとんどの場合が自費診療である美容外科。
保険を使った治療はほぼ不可能ですが、美しく眼瞼下垂を治療することができます。
当然目の開きは良くしますが、機能面と見た目を天秤にかけたときに、見た目を最も重要視しているのが美容外科です。
つまり、費用面を重視するなら眼科、保険診療で見た目も重視したいなら形成外科、金額にはこだわらず美しく仕上げたいなら美容外科に行くと良いでしょう。
モモクリの眼瞼下垂手術
MOMO CLINICでは、形成外科専門医資格を持つ笠井諒医師が眼瞼下垂治療を行います。
大手美容外科での勤務経験も長く、どのような術式にも対応しています。
ご希望であれば、保険診療の範囲内で眼瞼下垂の手術をすることも可能です。
自費で見た目にこだわることももちろん可能ですので、目の開きに悩んでいる方はまずはお気軽にカウンセリングにお越しください。
まとめ
この記事では、眼瞼下垂の定義、症状、原因、治療方法を詳しく解説しました。
目の開きが日常生活に支障をきたす場合は保険適用となりますが、
「せっかくなら美しい仕上がりを手に入れたい!」
ということであれば形成外科や美容外科を受診すると良いでしょう。